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前回の「ウェディングドレスを購入したい。相場はいくら?」で、ウェディングドレスの価格の違いは生地の違いでもあるとご紹介しました。
今回はシルクのウェディングドレスによく使われる生地について、さらに詳しくご紹介していきます。
シルクにも様々な種類があります
価格が高く高級なウェディングドレスの生地としてもっともよく使われるのはシルクですが、シルクにも織り方などで種類があって、次のようなシルク生地がよく使用されています。
シルクサテン
出展:トゥー・レ・ドゥー
上質な光沢とツヤ感があり、柔らかい手触りが特徴のシルクサテン。ドレープ性も非常に高いため、ウェディングドレスのラインが美しく強調されます。
大変素材が良いため、シンプルだけど質の高さがひと目でわかるようなウェディングドレスにも使用されます。
ミカドシルク
出展:トゥー・レ・ドゥー
ミカドは「帝」のこと。シルクの最高峰と称されるのがこのミカドシルクです。
綾目と言われる生地の表面をななめに走るような凹凸が特徴で、落ち着いた光沢としっかりとしたハリがあります。このハリを活かした装飾性の高いドレスは圧巻です。
出展:ブライダル工房 F.M.N
こちらもミカドシルクのウェディングドレスです。上品なハリとこのハリを活かしたリボンの装飾が目を引きます。
ミカドシルクを使用したウェディングドレスは、重厚感があり気品あふれるドレスになりますので、格式の高いチャペルウェディングやゲストをたくさん呼びたいホテルウェディングなどと相性が良いですよ。
シルクタフタ
出展:トゥー・レ・ドゥー
お写真のウェディングドレスのウエストのあたりからスカートに広がる軽いハリがある素材がシルクタフタになります。
シルクタフタもハリのある生地です。ラインの形をしっかりと出したいときなどによく使用されます。
ほどよくハリがありつつ生地に軽さがあるため、着ている花嫁さんも動きやすいという嬉しい特徴もありますよ。
シルクオーガンジー
出展:トゥー・レ・ドゥー
シルクオーガンジーはしっとりとした柔らかさがあり、うっとりするほど手触りの良い生地。
お写真はAラインの清楚なウェディングドレスですが、重ねても重さが出にくく軽やかですので、ボリュームがありつつ重さはあまり出したくないというウェディングドレスにも使われています。
また、シルクタフタでご紹介しているオレンジのカラードレスのスカート裾の波打つように配置されている生地もシルクオーガンジーです。ドレスの雰囲気によってガラッと表情が変わりますね!
シルクシャンタン
出展:みんなのウェディング
シルクシャンタンは生地が厚手で落ち着いたツヤがあります。
シルクシャンタンのツヤは強い光沢ではなく、どちらかというとマットなツヤで上品で、光の当たり方や見る角度によって雰囲気がが変わるところも魅力です。
「サテン」「オーガンジー」「タフタ」「ミカドサテン」はシルクではありません
ウェディングドレスの生地をチェックしてみると、「サテン」「オーガンジー」「タフタ」「ミカドサテン」などと書かれているものもあります。
実は、これらはシルクではなくポリエステルになります。
「え?サテンならシルクサテンでしょ?」と思われるかもしれませんが、まったく違うものですのでお間違いのないようにご注意下さいね。
シルク製のウェディングドレスは、シルクサテンならシルクサテン、ミカドシルクならミカドシルクと必ずシルクの文字が入っています。
これらの生地はポリエステルでも開発されていて、恐らく見ただけではシルクなのかポリエステルなのか見分けはつかないかと思います。
ウェディングドレスはシルクが良いの?
レンタルのウェディングドレスは、1着のドレスをクリーニングを重ねながら着用するものですので、耐久性やクリーニングのしやすさも考えてほとんどがポリエステルでできています。
ですので、レンタルの場合はさほど生地まで気にしなくても良いかと思います。
生地で悩むとしたたら、ウェディングドレスを購入される場合やオーダーメイドで制作してもらう場合でしょう。
最初にお伝えしておきますと、購入するからと言ってシルクにこだわる必要はまったくありません。
シルクサテンでもサテンでも、見ただけではわからないものも非常に多いので、挙式の最中にゲストから「あの花嫁さんのドレス、ポリエステルじゃない?」なんて言われることはまずないでしょう。
シルクとポリエステルの大きな違いは2つ
シルクとポリエステルのウェディングドレスで違いが出る部分は2つあります。
ツヤ感が違う
これもシルクとポリエステルのウェディングドレスを並べてみないとわからない部分ではありますが、シルクの最大の魅力である上品なツヤは、ポリエステルでは出すことができません。
もしシルクのツヤがあるスカーフとポリエステルのスカーフをお持ちでしたら並べて比べてみて下さい。恐らく、ポリエステルの方が不必要に光っていたり、テカテカに感じられる、手触りがザラっとしているなどの違いがあることがおわかりになるかと思います。
上質なツヤ感を求めるなら、やはりシルクにはかなわないでしょう。
特に価格が安いポリエステル製のウェディングドレスはテカテカに見えることもあるようです。
重さが違う
ウェディングドレスは一般の衣類よりもたくさんの生地を使います。
例えばレディースサイズのシャツであれば、生地幅にもよりますが125cm程度の長さがあれば1着のシャツを作ることができるのですが、ウェディングドレスを1着作ろうと思ったら10メートル以上の生地が必要になることも珍しいことではありません。
一般衣類よりもたくさんの生地を使うためウェディングドレスは重たくなるのですが、シルクは非常に軽い生地なので、重ねても重さを感じにくい仕上がりになります。
ポリエステルはシルクと比較すると軽くはありません。生地を重ねた分だけ重たくなりますので、購入したウェディングドレスを箱に詰めて挙式会場に送らなければならないというときなどにおひとりで持ち上げることができなかったり、取り扱いに大変苦労することもあるかもしれません。
シルク・ポリエステルのどちらにもメリット・デメリットがあります
ポリエステルのウェディングドレスは、場合によってはツヤツヤしすぎてしまうこと、重たくなりがちなどのデメリットもあるのは事実です。
しかし、レンタルのウェディングドレスにはポリエステル製のものもたくさんあり、多くの花嫁さんが満足していることも確かなんです。
そう考えると、なにもシルクにこだわる必要はないのかなと思えてきませんか?
次回はシルクのウェディングドレスとポリエステルのウェディングドレスのメリット・デメリットをクリーニング屋さん視点でご紹介しようと思います。
ご覧いただきましてありがとうございました。