職人の経験により蒸気を調節しながらアイロン作業をします
ウェディングドレスを洗った後の仕上げはアイロン(プレス)作業です。アイロンによる仕上げは、シワを伸ばすだけでなく、繊維にツヤを出し、ウェディングドレスを美しいシルエットに復元する重要な作業です。
ウエディングドレスのトレーンをアイロンがけは長いので、二人ががりの作業となります。
トレーンとは、ドレスの引き裾のことで、後ろに長く引きずったスカートの裾の部分のことをいいます。最近ではショートのドレスも見受けるようになりましたが、やはり引き裾の長いドレスが多いですね。ロングトレーンはエレガントな印象を与えることができ、これは長いバージンロードによく映え、厳かな教会に向いています。
ウェディングドレスの仕上げは家庭用アイロンでは出来ません。何故ならドレスは生地にアイロンをプレスしてかけることが出来ないからです。蒸気の力で生地をのばし、形を整えるので強い蒸気の力が必要となります。家庭用アイロンではそれだけの蒸気の圧力がありません。場所によって微妙に生地から放して蒸気をかけていきます。
アイロン台を使ってプレスをします。オーガンジー生地のスカートのひだです。オーガンジー生地は目が粗いのでどうしても細かいシワが出来てしまいます。これをプレスすると見違えるように美しくなり、ツヤのあるオーガンジーとなります。
ヒダやドレープ部分は携帯用アイロン台でおさえてプレスします
ウエディングドレスのスカート部分は、ふわっとした形を作るためにヒダやドレープを多用した作りとなっているので、アイロン台だけではプレスが出来ません。携帯用のアイロン台(子ウマと呼びます)を手でもってプレスしていきます。
胸回りや、パニエ部分などドレスのすみずみまで、細かくアイロンをかけていきます。最後にドレスの仕上がりを目視で点検して、このウェディングドレスの仕上げは完成します。