フォーマルウエア。新郎が着るのはタキシードでも、 フロックコートでも燕尾服（テールコート）でもかまいません。 新郎が結婚式で着るものの総称として「タキシード」と呼ばれています

挙式の後、このウェディングドレスクリーニング工房に、様々なメンズ用のフォーマルウエアが、 やってきます。生地素材も様々、主にシルク、ウール、ポリエステル、夏用にはリネン（麻）のものもあります。

中でも独特のしなやかさと光沢が、華やかな結婚式にふさわしいと人気のあるシルク素材のタキシードが人気のようです。

シルクのメンズフォーマルは、繊細な素材が故に、洗い（クリーニング）から仕上げまで大変気を使って作業が行われます。

ほとんど気がつかないぐらいのシミでも、各工程でチェックされ、しみ抜き工程に回されます。

小さなシミは、ウェディングの披露宴で、知らずに飲み物が飛んだり、思わぬ食べ汚しなどが出てしまうからですが、こうした汚れ、シミをチェックして完全にキレイにしてお客様にお返しするのが、この工房の使命であるとスタッフ全員が認識しています。

専用のしみ抜き溶剤としみ抜き器具を使い、職人がきめ細かく作業を行い、また仕上げ工程に戻されます。

これはシルク素材のタキシード。一般のスーツは、ほとんどがウール素材で、シルクのスーツは見かけなくなりましたね。それにともない一般のクリーニングではシルクの背広をクリーニングする技術がなくなってきたのです。

天然素材のシルクは、シワがよってしまうと、もとに戻りにくい性質を持っているので、アイロンが難しいのです。蒸気の出る量を調節できる専用の業務用アイロンで、微妙なシワを伸ばしていく、これは職人技です

形の崩れやすいワキの下、胸周りなども、タキシードにもともとあった立体的なフォルムを、 再現していきます。一般のクリーニングでは、“人体”とよばれる機械で一気に仕上げをしてしまっているようですが、このような微妙な立体感ある仕上げは出来ません。

そして仕上げでもっと大切なのは、シルクのもつ光沢です。 しなやかさとシルク生地の光沢をよみがえさせる最後の仕上げです。

一般のクリーニングでは、スラックスもプレス機で仕上げをしていますが、ここではすべててアイロンです。普段着のスーツは少々ラフな仕上げも許されますが、フォーマル時に着用するタキシードはやはりピシッとした仕上げが必須なのです。

メンズフォーマル、他にベスト、襟の拝絹（はいけん）、蝶ネクタイ、そして腹巻きのようなカマーバンドなどを扱っています。

もちろんゲスト用の、男児用（ジャケット・パンツ・ベスト・蝶ネクタイ）フォーマル。 そして、ガールズ用は、ウェディングドレス、カラードレスクリーニング工房で、 作業しています。