フェザーつきマーメイドラインからベビーセレモニーへリメイク
「マーメイドは生地が少ないので、ベビードレスは作れますか?出産の退院時やお宮参りに私の赤ちゃんに着せたい。」とお母様のマーメイドラインのウエディングドレスが送られてきました。
胸周りに本物の羽があしらわれ、スカート上部は総柄レースとゴージャスなドレスです。 裾にはチュールとオーガンジーがたっぷり使われており柔らかくて可愛らしいデザイン。この柔らかくて可愛らしい質感はベビードレスに活かせそうです。スレンダーやマーメイドラインはリメイク用としては生地が少ないタイプですが、十分作成可能です。
ウェディングドレスのスカート上部は総柄レースです。この豪華な素材を ベビーセレモニードレスの胸周りに、使用しました。ヨーク部分の羽やビジューは 肌の敏感な赤ちゃんにはあえて触れないようにします。でもとっても素敵です。 スカート生地はベビードレスだけでなく、他の小物などにも使えそうですね。
ベビーセレモニードレスのスカートや袖はお母様のドレスのスカートから、チュールとオーガンジーを重ねて作りました。 心掛けたいのは赤ちゃんの着心地の良さ。 手間がかかるのと、難しい技術を要しますが、肌に触れる部分は丁寧に作成します。 お肌に当たる部分(上半身内側)はダブルガーゼを使用。 縫い合わせる部分は、縫い目が外側に出てこないように縫っていきます(折り伏せ縫い) 特に首元や、袖部分は気を付けます。
小物はボンネ。赤ちゃん用のかわいい帽子です。
ボンネは、ウェディングドレスのスカート部分(レース生地)を中心に制作。
フリルとアゴ紐は、ウェディングドレススカート部分のオーガンジーを使用。
ぐるりと羽をあしらいました。羽を1枚ずつ剥がしてつけ直します。
アゴ紐の先端には、ウェディングドレスのビジューをつかい、アクセントにしました。
アゴ紐は、スカート生地を斜めにとることができるので、撚れることなく作成することができます。
これもオートクチュールの良さですね。
羽根はベビードレスの胸にも使用して豪華な感じを出しました。リボンを付けて完成です。 ヨーク中心にサテンリボンを配しました。 ウェディングドレスの後ろボタンである、くるみボタンをベビードレスの前ボタンとして使用。 くるみボタンが可愛らしさを引き立たせます。
ここまで制作するには時間と手間がかかります。
しかし、何といってもお母さんの赤ちゃんを想う気持ち。これに勝るものはありません。
赤ちゃんがこの先大きくなり、いろいろな出来事があるでしょう。
お母さんに口答えしたりする日が来るかもしれません。
そんな時、このベビードレスをふと手に取ってみる。
どんな気持ちが心にわき起こるでしょうか?
心の中にこのドレスの羽のようなふわふわしたあたたかい気持ちがわいてきたら
私共の仕事は本当の意味で成功したといえるかもしれません。
参考価格 ベビーセレモニードレス¥42,000 ボンネット¥7,000